水深200mでも撮影可能な4K1200万画素アクションカメラ「Octospot」
ダイビングを始めると次にやりたくなるのは水中撮影です。水中撮影において一番危険なのは被写体に気を取られていて回りの状況が見えなくなる事です。
例えば海流。海図上では潮流が描かれてなくても海水温の変化や地形の変化で潮流も移動しますから突然、被写体を追いかけていて流れの速い潮流に出会って流されてしまう事もないとは言えません。
ファインダー越しに被写体を注視していたのでは回りは見えませんし、流された時や危険な時に咄嗟に回避行動を取れるかと言うと、高価な機材を手放すことはそうそうできませんし、両手が使えない状態の回避行動はなかなか思う様にいきません。
ファインダーを覗かなくても被写体を追いかける事ができ、手に持たなくても撮影できる高性能なカメラがあれば回りにも気を配る事ができますよね。そんなダイビング撮影専用のアクションカメラが今回ご紹介する「Octospot」です。
Octospotの基本スペックですが、1200万画素、画角150°の広角レンズを搭載し4K撮影が可能。画質は4k/30fps、1080P/100fps、720p/240fps。1700mAhのバッテリーを内蔵し2時間の連続撮影が可能です。
撮影した映像は内蔵microSDカード(64GBまで)に記録する事ができますし、後からmicroSDカードをPCに入れて確認したり、GoProの様にスマートフォンからWiFiで接続して撮影した映像を確認したりする事ができます。
画質はフレームレートは4Kこそ30fpsですが、1080Pなら100fpsとかなり細かいフレームレートに設定されています。暗い所で撮影した時に特有の映像がボケたりゴーストの様になったり流れたりと言う事がない様にフレームレートを上げて鮮明な映像が撮影できます。
Octospotはハンズフリーでの撮影を可能にする為にマスクのベルトに挟むクリックマウントと呼んでいる独自のマウントシステムを搭載したクリップが付属しています。
クリップをマスクのベルトに挟んでおけば、容易にマウントしロックされるので手持ちでの撮影もハンズフリーでの撮影もシームレスに状況に応じて変える事ができるので便利です。
マスクに装着する事でレンズが目の横に位置するので、目線の先を映像として記録してくれますので、被写体が撮影されていなくてガッカリすると言う事もありません。
操作ですが、トリガー(シャッター)はスライド式のマグネットスイッチなのでグローブをしていても容易にスイッチ操作をする事ができる様に工夫されています。
静止画撮影や動画撮影のモード変更もクリック感のあるダイヤル式のスイッチを採用していますからこちらもグローブをしていても操作に支障がない様に設計されています。
撮影された映像は、水中カメラ専用として開発してあるだけあって水中撮影にカスタマイズされています。特にそれを感じさせるのは映像のホワイトバランスです。
コップに入れた水は透明なのに海の水は青かったり緑だったりしますよね。これは波長の長い赤は水面で吸収されてしまい青や緑が水深く浸透して行くためです。波長の長い緑も吸収されて青だけが海深く届くので、光が届く範囲で水深が深いとだんだんディープブルーな色になって行くのです。
撮影された映像も水深が深くなると自然光の下では赤の成分がなくなって緑や青の世界になってしまいますが、それを水深40m地点で撮影した映像でもその水深を圧力センサーが読み取って、深度に合わせたホワイトバランス調整を行って映像を記録してくれますから水深が深くても浅くても水面直下にいる様な色合いに仕上げてくれます。
手ぶれ補正も水中専用にカスタマイズされています。空中では抵抗がありませんが水中は抵抗があります。この抵抗が加速度センサーを使った手ぶれ補正技術では空中とは違う挙動になってしまう為に空中の手ぶれ補正技術をそのまま水中に取り入れると逆に補正が効き過ぎて映像が更にブレてしまう事もありますが、Octospotは電磁石を使ったスタビライザーシステムを取り入れて手ぶれ補正を行っています。
Octospotには温度センサーと圧力センサーが内蔵されていますので、映像に重ね合わせて温度と水深を表示する事ができます。
今までGoProだと公称40mまでOKとスペックで書かれていてもちょっと恐くてそこまで潜って撮影には使えなかったと言う方も、このOctospotなら200m保障ですから普通に潜水して撮影するには水深を気にする事はもうありませんよ。水中ロボット等を使った撮影でも十分にその能力を発揮してくれます。
(KURA BASEの記事本文を許諾を得た上で加筆修正して転載)