国内外の最新完全ワイヤレスステレオイヤホン事情
編集Mです。10月も後半戦。スポーツしてますか?
手頃な運動といえばランニングやジョギング。イヤホンでお気に入りの音楽を聞きながら走るという方も多いと思いますが、ランニングコースやジムで走っている人を見ていて、増えたなあと思うのがワイヤレスイヤホン。
いまだ有線の方もいるにはいますが、自分の地元では無線の方が結構な比率になってきました。特に防滴や防水に対応したスポーツ向けのワイヤレスイヤホンが増えています。国内外を問わず、著名なオーディオメーカーから発売されていますし、中国や香港発の新興ブランドの安価な製品も加速度的に増えています。
同じワイヤレスでも海外と日本で温度差があるを感じるのが完全ワイヤレスイヤホンの存在感。AppleのiPhone 7でイヤホンジャックが廃止されると同時に、純正の完全ワイヤレスイヤホン「AirPads」が今月には発売予定と言う事でにわかに完全ワイヤレスステレオイヤホン市場にも注目が集まりそうです。
ちなみに、日本国内で正規に流通している完全ワイヤレスステレオイヤホンは本日(2016/10/21)現在、スウェーデン生まれの「EARIN」、香港生まれの「ARIA One」、米国生まれの「Apollo 7」、日本生まれの「ONKYO W800BT」の計4製品。
Earin|超軽量・超小型タイプのワイヤレスイヤフォン「イヤーイン」
完全ワイヤレスの先駆者であり、業界のレファレンスとなったEARIN。余計な機能を排除し、音楽再生に注力したBAベースの高音質イヤホンです。
最新情報ですが、パッケージが一新されブラックカラーのカプセルケースモデルが追加されました。iPhone 7シリーズも新色のブラックが人気のようですのでベストマッチングかもしれません。ちなみにシルバーモデル含め、バッテリーケースのカラーが違う以外は以前のモデルと仕様は全く変わりません。
fFLAT5 Aria One|トゥルーワイヤレスステレオイヤホン「アリアワン」
EARINに続き、日本に上陸したのが左右色違いが個性的なダイナミック型の完全ワイヤレスステレオイヤホンがAria One。EARINよりも大ぶりですが、マイク内蔵で♭5の記号部分が電源・再生停止ボタンを兼ねてる分使いやすいです。量感のある低音再生能力が高く、ロックやポップス向き。ちなみに、RAKUNEWの親戚にあたるe☆イヤホンではオールブラックモデルも販売中。
Apollo 7|マイクロドライバー搭載ワイヤレス防水イヤホン「アポロ7」
aptXとAACをサポートするマイク内蔵のApollo 7はEARINにもAria Oneにもできない操作が単体で可能。「ワンクリック」 「 ダブルクリック 」「2秒長押し」「5秒長押し」といったアクションで全ての操作が完結できます。iPhoneユーザーを意識したカラバリも豊富。後発なのにもかかわらず強気な価格ですが、それも音質や使い勝手への自信の表れでしょうか。
ONKYO W800BTB【左右独立型ワイヤレスイヤホン】
「6Hz~22kHzの再生周波数帯域を持つΦ8.6mmダイナミック・ドライバーにより、厚みのある低音、バランスのとれた中域、クリアな高域を実現」「人間工学に基づいたデザインと構造、そしてスタビライザーの採用により、快適でしっかりとしたフィット感が得られ、長時間装着しても疲れにくい着け心地を実現」が売り文句。
e☆イヤホンで試聴してみましたが、SBCオンリーなのに驚くほど高音質でした。バッテリーケースが大ぶりで単体操作が通話の着信のみなのが残念ですが、音質とのトレードオフでしょうか。
※RAKUNEWでの取り扱いはございませんがe☆イヤホンで購入可能です>ONKYO W800BTB【左右独立型ワイヤレスイヤホン】
海外の完全ワイヤレスイヤホン事情
海外を見渡してみると、星の数とまではいきませんが、それでも相当数の完全ワイヤレスステレオイヤホンの存在が確認できます。
クラウドファンディングプロジェクト
とりわけ多いのがクラウドファンディングのプロジェクト。RAKUNEWは、クラウドファンディングのプロジェクトを多数ご紹介していますが、現在進行中の完全ワイヤレスイヤホンのプロジェクトだけでもこれだけあります。
音声翻訳、ノイズブロック、独自技術やカプセル化デザインで誰の耳にもフィット、耳に入れるだけでスタンバイ完了など、従来と違った切り口で攻める製品が多くなってきました。
一部の商品は日本国内のイベントで先行展示がされているのを確認していますので近い将来正式に日本に上陸するのではないでしょうか。
ちなみに、先述の「EARIN」や「Apollo」、後述する「The Dash」も元々は米国のKickstarterプロジェクトです。
一般流通で入手もしくは予約できる完全ワイヤレスイヤホン
一方で、大手ECやメーカー直販などの一般的な流通経路で入手もしくは予約できる商品も多数あります。どこかのクラウドファンディングで見かけたことのあるようなデザインの製品が別ブランドで販売されているケースも多いです。
クラウドファンディング生まれのイヤホン「The Dash」などは、防水仕様のオーディオプレイヤー機能内蔵の多機能モデル。国内正規品の販売が期待されていますが、いまだに実現されていません。
大手メーカー製では、MotorolaやSamsungの完全ワイヤレスステレオイヤホンも海外では普通に入手可能です。
どうですか。ここまででも既に20機種近くご紹介させていただいています。
最初にご紹介したとおり、日本向けの正規品は片手で足りる程度。選択肢が少なすぎますよね…。
クラウドファンディングでプロジェクトを実施するベンチャーや製造メーカーが日本市場をターゲットにする場合、ワイヤレス製品につきものの各種認証取得がネックになります。こうした認証取得にかかる時間や費用は日本企業にとっても障壁になっており、製品開発のスピードを左右しています。ちなみに、代行企業にお願いしてBluetooth製品の技適認証を取得するだけで最低でも50万ほどかかるとか。
iPhone 7からイヤホンジャックが無くなりましたし、他社も追従する可能性も出てきました。また、4年後の2020年には東京オリンピックでたくさんの外国人が日本を訪れます。ワールドワイドで展開するiPhoneはともかく、日本で利用できる認証の無い他国産のスマートフォンやワイヤレス関連製品が今以上に大量に持ち込まれることになります。
日本のお家芸でもあるものづくりを刺激するという意味でも、法律を含む認証取得等にかかる諸々の障壁を極力減らし、日本の大手メーカーはもちろん、優秀なベンチャーから驚くようなコンセプトのワイヤレス関連製品が矢継ぎ早に発売されるような、そんな環境の整備を我が国の偉い人に整えていただきたいです。
日本中どこにいても、そして世界中どこの国に行っても、(通信費の側面は別にして)使い慣れたスマートフォンが当たり前に使えて、お気に入りのワイヤレスイヤホンで音楽が楽しめるようになって欲しい。手持ちのワイヤレスイヤホンで音楽を聴きながらそんな思いをしたためている編集Mであります…。