カーボンナノチューブ振動板を採用した完全ワイヤレスヘッドフォン「Air」
スピーカーから音が出る仕組みは小さい頃に作った糸電話と動作原理は同じです。糸電話は紙コップに向かって喋るとその振動が紙コップを振動させて糸を伝って相手の紙コップの底板を振動させ、その振動が空気に伝わり音となって耳へと届いて通話する事ができます。
それと同じでスピーカーはコーンと呼ばれる紙の板を電磁石で振動させる事でコーンが回りの空気を振動させそれが音波となって耳に届く事で音を出し、聴く事ができる様になっています。
そのコーンをどの様な素材を使って作るのかで(木でも堅さによって堅い木は高い音がして柔らかい木は低い音が出る様に)出せる音の領域が変わって行くのですが、カナル型ヘッドフォンとなると部品を内蔵できる部品体積が決まっている為に内蔵できるスピーカードライブは1つないし2つまでで、その限られた数のスピーカーでどれだけの音の領域をカバーするかで音質は左右されます。
今回ご紹介する「Air」は、最近出だしたカーボンナノチューブを使って振動板を作る事で、紙製のコーンでは考えられない8~24kHzという超広範囲の音の再現能力を誇るカナル型完全ワイヤレスヘッドフォンです。
カーボンナノチューブを使うとどうしてそんなに再生周波数の範囲が広いのか?
カーボンナノチューブはアルミの半分の軽さで、鋼鉄の100倍近い引っ張り強度があり、なおかつ薬品や高熱にも耐え、高い熱伝導性、銀よりも高い導電性、そしてダイヤモンドの2倍の硬さがありながら、柔軟性と高い復元性を持つ夢の様な素材で、航空機や衛星、最近ではF1のボディーにも使われている素材です。
Airは、それをスピーカーの振動板として使う事で、柔らかいけどすぐに元に戻る特性を生かしてキレの良いクリアな音を全領域に渡って出力可能で、高級ヘッドフォンに負けないくらいの音の再現能力を誇っています。以下はAir本体のスペック。
- 再生周波数:8~24kHz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:101デシベルSPL/1mW以下
- 最大許容入力:30 mW
- 通信機能:Bluetooth4.2
- 対応プロファイル:HSP1.2、HFP1.6、A2DP1.3、AVRCP1.6
- 対応コーディック:AAC、SBC、mSBC、CVSD
apt-Xには対応していませんが、AACコーディックをサポートしていますからiPhoneユーザーは高音質で音楽を楽しむ事ができる様になっています。
IPX6の防滴仕様ですので多少の雨や汗で濡れても大丈夫でトレーニング用ヘッドフォンとしてもご使用いただけます。
気になる連続再生時間ですが、カーボンナノチューブ振動板を使う事でこのステレオタイプのカナル型ヘッドフォンでは優秀な連続3時間(通話だけなら4時間)もの再生能力を誇ります。
またヘッドフォンのフェイスにタッチセンサーが内蔵されており、左側のイヤホンをタップすると電話の応答、ダブルタップでSiriの起動、右側のイヤホンをタップすると曲の再生/停止、ダブルタップで曲送り、トリプルタップで曲戻しができます。
ワイヤレスヘッドホンのケースが充電器になっているのは今や定番ですが、Airのケースも当然バッテリーを内蔵。その内蔵バッテリーで計4回追加が充電可能で、合計で連続再生時間15時間(通話だけなら20時間)もの再生が可能になります。次世代を見越してかケースの充電にはUSB-Cコネクタを採用しています。
気になる耳への装着性能ですが、脱落防止を考えて3種類のシリコンカバーと4種類のイヤーチップを用意しています。耳たぶの中の突起部分に引っ掛かる構造で、耳の穴の中に押し込んで固定するタイプのものと比べて長時間使用しても耳も痛くなりません。
さらに、専用アプリケーションを使って最初に可聴範囲のテストをする事で自分の耳に合ったチューニングを施してくれます。高音が聞き辛かった方でも自動的にイコライズしその人の耳に合ったサウンドで再生してくれますから、心地よいサウンドを毎日楽しむ事ができます。
(KURA BASEの記事本文を許諾を得た上で加筆修正して転載)