世界最小の自転車用ドライブレコーダー「Magconn Bike Black Box」徹底レビュー
突然ですが、皆さんはドライブレコーダー（略してドラレコ）ってご存じですか？
一般的には走行中のクルマの様子を動画で記録する装置のことで、事故発生時の原因分析や状況把握に役立つとされています。
GfKジャパンの2015年ドライブレコーダーの販売動向と消費者動向調査によると、国内販売台数が61万台に拡大し、高機能化により単価も2割上昇。自動車保有者における製品認知率は97%へ上昇しており、「性能」重視へ徐々に移行しているそうです。
大手メーカーも参入してますし、大手通販サイトでドラレコで検索すると相当な数の商品が見つかりますが、一般的なドラレコは四輪のクルマ用が大半です。
今回ご紹介する「Magconn Bike Black Box（MA-VS）」は、主に自転車での利用を想定したドラレコなのですが、驚異的なまでに小型で面倒な設定無しで使える扱いやすさが魅力のユニークな逸品です。
Magconn Bike Black Box（MA-VS）とは
Magconn Bike Black Box（MA-VS）は、本体の径が35mm、厚みが16mm、重さが16gで、2016年8月現在、世界一小さな自転車・バイク用ドライブレコーダーです。
ベルト採用の専用マウントが付属しており、自転車のハンドルに簡単に装着できます。レコーダー本体には磁石が内蔵されており、専用マウントに近づけると磁力で吸着します。
本体をマウントに装着すると、5秒後から自動的に撮影が開始されます。電源を入れるなど、一切の操作が必要ありません。
撮影を中止したい時は本体を専用マウントから外すだけ。もちろん、電源を切るなどの操作も一切必要ありません。
標準の設定では5分単位で動画ファイル自動的に保存します。言い換えると、30分連続で撮影する場合は6つのファイルに分割され保存されます。もちろん、5分以内であればファイルが分割されることはありません。
内蔵バッテリーが満充電の状態で最大2時間までの動画撮影が可能です。バッテリー残量が少なくなると（2％以下）LED点滅でお知らせしてくれます。
外部バッテリーなどで充電しながら使用すれば更に連続撮影も可能。
生活防水仕様なので、急な雨でも安心です。
OTG対応のAndroidスマートフォンなら動画アプリ経由で動画の内容を直接確認できます。動画アプリの共有機能を使えば、手軽にSNSに動画をアップロードできます。
もちろん、バイクや自転車以外にも、使い方次第でアクションカムとしての活用も可能です。
＊2016年8月現在
Magconn Bike Black Box（MA-VS）の基本的な使い方
Magconn Bike Black Box（MA-VS）は、カメラ（Magcon cam）本体、バイクマウント、OTGジェンダー、USBジェンダーで構成されています。
Magconn Bike Black Box（MA-VS）本体だけでは撮影はできません。バイクマウントの先端にある三脚穴に装着するMagconnターミナル内蔵パーツまたはMagconnターミナル内蔵のOTGジェンダーいずれかにMagcon cam本体を装着して初めて動作します。
Magconnターミナルはゴールドカラーの同心円状の回路のことで、カメラ本体背面にあるゴールドの小さな突起がこの回路と接触することで、カメラが動作したり、内蔵バッテリーの充電が可能になります。つまりは、Magconnターミナル内蔵パーツさえあればバイクマウント無しでも撮影が可能です。
バイクマウント用のMagconnターミナル内蔵パーツにはmicroUSB端子が備わっているので、外部バッテリーや充電器を使えば、カメラ本体の内蔵バッテリーを充電しながら撮影が可能になります。
カメラに記録された動画を確認する方法
Androidスマートフォンでの利用方法
Google Playにある公式アプリ「Magconn」をスマートフォンにインストールします。アプリでは、動画の録画時間の再設定が可能なほか、動画の再生方法の確認ができます。
OTG対応のAndroidスマートフォンなら、OTGジェンダーをスマホに装着してカメラ本体を載せれば、自動的に内蔵ドライブを「usbdisk」として認識します。
動画の確認は公式アプリからは行えず、推奨の動画再生アプリ（MX Player、VLC Player、BS Player）経由で行います。
撮影された動画は「VIDEO」フォルダに格納されています。ファイル名は「日付 時間.AVI」。拡張子をご覧いただければおわかりの通り、動画は全てWindows標準の動画用ファイルフォーマットのAVI型式で記録されています。
ちなみに、MX Playerなら撮影後の動画ファイルをTwitterやYoutubeにアップロード（共有）が可能です。
パソコンでの利用方法
WindowsやMacで使う場合はOTGジェンダーにUSBジェンダーを装着し、パソコンのUSBコネクタに接続。カメラ本体をOTGジェンダーに載せれば、Android同様にUSBドライブとして認識します。
撮影された動画は「VIDEO」フォルダに格納されています。ファイル名は「日付 時間.AVI」。
必要に応じてパソコンにコピー。ダイレクトに再生するも良し、SNSなどで共有するも良し、動画ソフトなどで編集するも良し。
ちなみに、Mac（OS X）の場合、標準ではAVIファイルの再生ができませんが、QuickTimeが自動的にMOV型式に変換してくれます。変換後のファイルはQuickTimeやiMovieなどで編集が可能になります。
また、パソコン経由でも動画の撮影時間の変更が可能です。詳しくは同梱の取説でご確認ください。
Magconn Bike Black Box（MA-VS）を実際に自転車で使ってみた
自転車への取付方法はとっても簡単。下記の公式動画をご覧ください。
今回、代官山にある電動アシスト自転車の専門店モトベロさんにご協力いただき、人気の電動自転車「BESV PS1（ベスビー・ピーエスワン）」に「Magconn cam」を取り付けさせていただきました。
Magconn Bike Black Box（MA-VS）が自転車の白いボディに見事にマッチしています。まるで最初から搭載されているかのように自然にフィットしてます。
ちなみに、標準のバイクマウントはカメラを上下左右に振る角度が限定的（30度程度）なので、取り付ける自転車によっては前カゴなどが映り込んでしまう可能性があります。
その場合は高さを稼ぐ必要があるので、その場合は自分の自転車に合うマウントを別途用意しましょう。
画像のように、カメラの雲台用のマウントを追加したり、先が90度まで回転するクランプ式の三脚穴対応マウントを用意すれば大抵の自転車で使えるはずです。
Magconn Bike Black Box（MA-VS）のサンプル動画
下記動画は、編集Mの地元にて、016年8月14日の日の入り前に撮影したものです。AVIファイルをQuickTimeでMOV変換したものを編集等は一際せずにYouTubeにアップロードしています。
天候がイマイチだったのと時間が時間でしたので映像が暗めで申し訳ございません。揺れと風切音が結構気になりますが、前方の情報をしっかり記録してくれていますし、ドライブレコーダーとしては十分な性能なのではないでしょうか。
Magconn Bike Black Box（MA-VS）応用編
車載用のカメラスタンドがあれば簡易の自動車用ドラレコとしても使えます。
市販のヘッドマウントやチェストマウント、ドッグハーネスを使えば、アクションカムとしても使えそうです。
自転車で入れないような場所の散策記録や、アウトドアレジャーなどでの定点記録にもオススメ。ただ、手ぶれ補正機能は無いので撮影には少々工夫が必要かもしれません。
参考までに、YouTubeに「MA-VS」の使用例をアップロードしている方がいらっしゃいます。わかりやすいので是非ご覧ください。
楽器演奏やコンサート、ダンスパフォーマンスの記録もできなくは無いですが、低解像度のモノラル記録ですので、音質はあまり期待しない方が良いと思います。
ちなみに、下の動画はスタッフのギター演奏を録画したものです。未編集です。カメラの内蔵マイクで音をしっかり録音するためには、音声を出力するアンプ等の位置など色々と工夫が必要かもしれません。
あまり音質を問わない、会議や会合の記録には十分使えると思います。環境にもよりますが、実際の会議の映像も撮れるでしょうし、映像が必要ないということなら部屋の中心に上向きに置いて、音声メインで記録するという使い方もあります。
Magconn Bike Black Box（MA-VS）のスタッフ評価
Magconn Bike Black Box「MA-VS」の最大の特徴はその可搬性と扱いやすさ。機能を絞り込むことで、老若男女問わず、誰でも手軽に使える製品に仕上がっています。
自動車と違って、自転車には運転者を保護する装置の類は備わっていないですし、保険などにも未加入の場合が多いため、事故が発生した場合に色々な意味で取り返しの付かないことになる可能性も高くなります。
通勤や通学、日常の買い物などでも、自転車で過去に少しでもひやっとした経験があるのであれば、リスク回避のためにMagconnのようなドライブレコーダーを利用する価値はあるのではないでしょうか。もちろん、サイクリングが趣味という方は記録用途としても使えます。
用途に適したマウントを用意すれば自動車用、歩行用、会議記録用レコーダーとしても使えますので、自分なりの使い道を見つけてください。
注目ポイント
- 小型軽量でどこにでも持ち運び可能
- 誰でも手軽に使える
- たったの5秒で撮影開始
- 約4〜5時間の動画が撮れる16GBの大容量メモリー搭載
- OTG対応のAndroidスマホなら接続するだけで内容確認と共有が可能
個人的に気になる点
- 衝撃によってはマウントからカメラが外れる可能性も否定できない
- 音質（モノラル。走行中の風切音が気になる場合も）
- 内蔵電池の容量（充電状態）がわかりにくい
- Android端末によってmicroUSBの向きが逆になる
- iOSデバイスでは直接動画を確認できない
撮影協力
東京都渋谷区猿楽町16-15 代官山T-SITE GARDEN3号棟（〒150-0033）
Tel：03-6277-5698
営業時間：10:00-21:00（年中無休）
代官山にフラッグシップ・ストアを構える、電動アシスト自転車の専門店。電動アシスト自転車の価値を分かりやすく伝えるだけでなく、それによって生まれる新しいライフスタイルを提案。国内メーカーの主要な電動アシスト自転車の全てを取り扱い、海外からセレクトした車両も販売。
炭素繊維を10層に重ねたカーボンフレームによって超軽量化と高い耐久性を実現し、都市部での利用に最適。独自アルゴリズムを組み込んだオリジナルの駆動システムにより、スムーズな乗り心地を体感。2014 GOOD DESIGN ベスト100を受賞。
参考にさせていただいた情報
- ドライブレコーダー、国内市場が活況−運転支援など高機能化（日刊工業新聞）
- 事故で有利に 売り上げ急増「ドライブレコーダー」の実力（日刊ゲンダイ）
- 見られていることを意識する（サイクルロード ～自転車への道）
- 自転車にもドライブレコーダーが必要じゃん？（あと20回しかない！）
- 自転車事故の交通事故全体比は2割を切りさらに減少中(2016年)（ガベージニュース）
