海外で大ヒット中の盗難防止デザイン多機能バックパック「Bobby」

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世界中で毎日40万件以上の盗難被害があるそうですが、日本は安全だと思っていませんか。2020年の東京オリンピック開催時はたくさんの海外旅行者が東京に押し寄せます。警視庁の調査によると、東京や大阪でのスリやひったくりの件数は減少し続けているものの、依然として1日約2件の被害が発生しているとか。いまだに「すり天国」「ひったくり天国」などと不名誉な名称をつけられています。すりの手口は

  • カバンなどを刃物で切って抜き取る手口。
  • 電車のラッシュ時を利用して、押し合いながらポケッやカバンから金品を抜き取る手口。
  • 車内で泥酔などにより、仮眠中のポケットやカバンなどから財布を抜き取る手口。
  • 網棚や座席に置いてあるカバンや上着などを盗む手口。
  • 乗車券を買うときなど、何かに気を取られているすきに金品を盗む手口。
  • 盗もうとするカバンの横に、同じようなカバンを置き、カバンを持ち去る手口。

だそうです。被害を防ぐためには、これらの手口に見合った対策や工夫が必要になります。

今回ご紹介するバックパック「Bobby」は、バックパックとして必要な機能に加え、盗難防止や夜間での利用の際に便利な機能を多数内蔵。ビジネスとカジュアル、性別問わず、世界中で便利に使える多機能バックパックです。

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Bobby誕生の背景

Bobbyは、Kickstarterで1万人の出資者を獲得し64万ポンド(今の日本円で約8800万)を調達。その後もIndigogoに場所を移して受注を再開し、3500人を越える出資者から87万ポンド(約1億2千万円)を調達。最終的にトータルで2億を超える資金調達に成功しています。

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Bobbyは、ポータブルバッテリー、調理器具、マルチツール、水筒やマグカップ、各種バッグなど、カテゴリーに縛られない様々なプロダクツ開発を手がけるオランダのデザインブランド「XD Design」によって開発されました。

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XD Designは、日常生活を向上させる持続可能なデザインの商品を手ごろな価格で提供することを目的に活動するデザイナー集団で、Bobbyのデザインはフランスパリ生まれのThomas氏が担当。

上海の街中で盗難を恐れてバックパックを前にして抱きかかえる人たちを見かけたことがきっかけとなり、その課題を解決するバックパック開発へと発展していったようです。

Bobbyがどのようなバッグかについては、公式動画を見れば一目瞭然です。以下、読み進める前に動画を確認する事をお勧めします。

ちなみに、Bobbyという名称の由来は、ロンドン警察にあるそうです。ロンドン警視庁は1829年に創設され、本格的な首都警察の構想を打ち出した当時の内務大臣ロバート・ピール卿にちなみ、親しみをこめて"Bobby"と言うようになったそうです。"Bobby"は"Robert"の愛称なんですって。あの個性的な丸い帽子も人気があって"Bobby Hat"と呼ばれているそうです。

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Bobbyの外観とメインコンパートメント

Bobby本体の表面には、ポケットの類が一切ありません。上部左右にある数センチほどのスリットから見えるのは蛍光繊維でスリット自体はポケットではありません。

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バックパックに当たり前にあるファスナーも外からは見えません。外側から亀の甲羅をかぶせたかのようなデザインがファスナーのみならずスライダーまでをも、うまく隠してくれています。

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Bobbyを背負わない状態で、背面からのぞき込んで初めて、メインコンパートメントのファスナーを確認できます。

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メインコンパートメントは開口の角度調整が可能。ベルクロとボタンで固定すればファスナー全開でも約30度でロックできます。ベルクロボタンの固定を外せば自立した状態で90度、寝かせた状態で最大180度まで。

盗難防止デザインとカット防止素材

Bobbyは盗難防止のための工夫がそこかしこに施されています。目立つ場所にポケットを設けないこともその一環ですが、ボディーにはカッターなどを使った強引な犯行に耐えうる防御層が組み込まれています。

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表面の生地からインナーの生地まで、6mm厚の耐衝撃フォームや、カッターで容易に切れない保護プレートを含め、なんと全部で5層で構成されています。

カッターなどで無理にこじ開けようとしても、保護層を突破するのは難しく、突破可能であっても相応の時間がかかるので、被害に合うリスクを軽減してくれるはずです。

隠しポケット(ショルダー、背中、左右収納)

ショルダーにはクレジットカードがすっぽり収まるポケットが2つあります。切符やカードなど、移動中に頻繁に出し入れする必要のあるものの収納に便利です。

ポケットにはこぼれ止めがあるので、カードなどを収納した状態でも、よほどの事が無い限りカードが飛び出る事はありません。

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全くポケットが無いというのも不便です。Bobbyには外から見えない場所にポケットが2つ用意されています。

左右の長さ調節ベルトの根元、マチの部分と言えば良いのでしょうか。マチの内側にファスナーがあるのです。ここはもちろん外からは見えません。スマートフォンやUSBケーブル、イヤホンなど、よく使うアイテムを収納できます。iPhone6 Plusがケース付きでも入るサイズです。

ちょうど腰のあたりにあるポケットは、そこそこのサイズ。旅行時のガイドブックやパンフレット、旅券の収納などに便利かもしれません。

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腰ポケットの上にはキャリーケース用のベルトも用意されています。

夜間の視認性

画像で印を付けた部分が、光が当たると反射するいわゆるリフレクターになっています。Bobbyを背負った人の夜間の視認性を高めてくれるので、事故からのリスクを大幅に回避してくれるはずです。

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USB充電コネクタ

付属のUSBケーブルをバッグ内のポータブルバッテリー(別売)に接続するだけで、右ポケット脇にあるUSB充電コネクタ経由でスマートフォンなどを充電できます。

スマートフォンなどを充電するケーブルは別途必要です。ケーブルは丸めて右ポケットに入れておけばいつでも手軽に取り出せて便利です。

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なお、Bobbyと組み合わせるのであれば、通電のためスイッチを押す必要があるバッテリーよりは、ケーブルを挿すだけで通電するタイプのほうが使い勝手が良いかもしれません。

絶妙な重量バランス

Bobbyは背負ったときに実際の重量よりも20〜25%軽く感じるようにバランスを考えデザインされています。

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メーカーオフィシャルの画像に女性が多く登場するのは、女性でも使いやすい重量バランスもさることながら、老若男女問わないノージェンダーデザインも大きなポイント。

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安心の防水・防汗

バックパック表面と底面は水をはじくコーティングが施されたポリエステル生地を採用。

背当ては通気性を考慮したマルチレイヤーの防汗メッシュ仕様。

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実際に使ってみた

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画像や動画だけでは分かりにくいと思いますが、見た目以上に軽量で作りもとてもしっかりしています。無駄な装飾を一切排除したポケットレスデザインは見た目もスッキリ。サイドのマチ部分には樹脂製のプレートが入っているため、よれやゆがみも出ません。中身が詰まっていてもスカスカでも外観上変化がないのも良いです。

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仕切り付きポケットが上部に1つ、下部に2つ。上部ポケットは、メモ帳やカギ、イヤホンなどの小物用として使えます。ファスナーの下にはペン用のスロットが4つあります。

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下部ポケットは深さがあるので水筒や折り畳み傘はもちろん、モノによってはオーバーヘッドタイプのヘッドホン、カメラ本体やカメラレンズなどを他のアイテムと干渉しないように保護しながら収納できます。

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ノートPC用ポケットは15インチクラスが余裕で収納できる幅と深さがあります。13インチだと余ってしまうぐらい。大きめの雑誌なども入ります。タブレット用ポケットは9.7インチiPadがジャストサイズです。単行本サイズの本やメモ帳などの収納にも便利。iPad Pro 12.9インチのような大きなタブレットはノートPC用ポケットでも代用できますね。

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下の画像、Bobbyと並んで映っているのが編集Mの普段使っているバックパック。荷物でふくれあがっていますが、それもそのはず、入っているのは、パソコン、タブレット、傘、水筒、薄手のパーカー、ジム用着替え、財布、ヘッドホン、イヤホン、メモ帳、眼鏡、モバイルバッテリー、ペンなど。

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これら一式をBobbyに移動してみたら余裕で収納できました。

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個人的にバックパックで最も重要視するのはショルダーストラップの付け根。ここの縫製がしっかりしていないと、ほつれなどで壊れて落下する危険も生じます。

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Bobbyのショルダーベルトは左右の根元が一体化しているため壊れにくく、さらに両肩への負担を軽減する役目もあるのでしょう。実際にしょってみると普段使っている方は肩にずっしりくるのですが、Bobbyだと分散されて良い感じです。

持ち手も幅広で、持ったときのバランスが良く、片手で持ち上げてもバッグの形が崩れるような事はありません。

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コイルファスナーにはYKK製を採用しており、クランバータイプのスライダーには小型の南京錠用の穴が設けられています。南京錠は別売ですが千円前後で購入できますので常備しておくと便利です。

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Bobbyとモバイルバッテリーの相性の良さもばっちり。昔と比べて、最近のスマートフォンのバッテリーの保ちは良くなりましたが、性能が上がれば上がったでCPUの負担が大きくなるアプリが増えるのが常。例の位置情報を使ったゲームなどもそうですが、バッテリー消費の激しいアプリを常用する場合には重宝する事間違いなしです。

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今回試用したグレーバージョンは基本的には落ち着いたデザインなのでビジネス用途でも全く問題無いと思います。むしろビジネス用途でバリバリ使いたいと思わせる機能と仕上がりです。

バックパックの重量によっては、ショルダーベルトに遊びがあると長さが度々変わるのが個人的に気になりました。ベストポジションを見つけたら余った部分を丸めてロックがかかるようにすると良いです。

ここ数年は通勤にもバックパックを常用していますが、普段使っているバッグと比較して安定した背負い心地がうれしいです。ただ、ジム通いなどに使う場合に、衣類はまあまあ問題無いですが、シューズはちょっと厳しいかな…。

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冒頭の話に戻りますが、周りを見渡すと、ポケットならまだしも、たまにメインコンパートメントのチャック開けっ放しの人がいます。もはや日本だから安全ということはありませんね。

そう言う意味では、最初からポケットが無ければ、チャックを閉め忘れる事もなければ、盗難の心配もありません。ちなみに、脇の隠しポケットも慣れれば背負ったまま開け閉めやモノの出し入れもできますので、表にポケット無くても全然不自由じゃありません。

収納力、機能ともに豊富ながら安全面にも配慮が行き届いているBobby。ビジネス、プライベート、男女問わず、アクティブな都市生活者にお勧めしたい優れた逸品です。

パッケージについて
メーカー側の都合により、他国のクラウドファンディング用に製作した外箱で入荷した関係でBobbyでなくMontmartre Backpackという名前が外箱にプリントされていますが中身は全く同じです。

本記事執筆の際に参考にさせていただいたサイト

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