スマ-トフォンに手ぶれ補正機能を追加するスタビライザー「Vimble S」
ビデオカメラの手振れ補正技術はすごいもので、スマートフォンで動画を撮影していると手振れ補正が搭載されていないスマートフォンを使うとそのすごさが本当によくわかります。
歩きながらや、三脚も何も使わずに、自分の手だけで本格的な撮影をしようと思うと、スマートフォンの映像は総じて揺れたりボケたりするため、映像のブレを押さえる機材を用意してないと感傷に耐えうる、いわゆる使える映像はなかなか撮影できません。
スマートフォンの撮影に役立つ機材として、ドローン等にも搭載されている画像の揺れを防止するスラビラザー(ジンバル)がありますが、画像の揺れは防止しても綺麗に撮影する事を真剣に考えている製品はごく僅かです。
そのごく僅かな綺麗に撮影する事を意識して作られた製品の1つが今回ご紹介する「Vimble S」です。
Vimble Sの可動範囲はピッチ(上下)・ロール(回転)は320度、そしてヨー(左右)は360度となっており、あらゆるアングルでの撮影が可能なスタビライザーで、バッテリーはUSB電源の充電式で連続稼働時間は8時間。スマートフォンを使用して撮影すると事を考えると申し分ないスペックと言えます。
Vimble Sは、独自の専用撮影アプリケーション「ViCam」を使う事で様々な撮影をする事ができるのですが特筆すべきは夜景写真の撮影です。
スマートフォンは光量が少なく、フラッシュの光が届く範囲も狭いので、自撮りする程度なら大丈夫ですが、夜に集合写真を撮って後で画像を拡大してみると、大体画像はボケていますし、動画も光量が足りずボケ気味の映像になってしまいます。
ViCamアプリは0.5秒も露光する事でハッキリとした映像に仕上げてくれます。スマートフォンで0.5秒もシャッターを開いて露光するとブレブレの何が写っているのかわからない画像になってしまいますが、Vimble Sで手ブレを押さえているので、どの様な状況においてもクッキリとした画像が撮影できます。
また、ViCamにはセルフィーモードという自撮りモードがあります。自撮りは普通、画素数の少ないフロントカメラで撮影するものですが、ViCamはアングルを決めてシャッターを押したら180度回転させてリアカメラで撮影を行い、そしてまた元に戻るのです。リアカメラで撮影していますから当然画質も良くなります。
他には子どもを追いかけて撮影したり、ユーチューバーが自撮りで投稿動画を撮影したりするのに便利なフェイストラッキングモードもありますし、タイムプラスやパノラマ撮影モードも用意されています。
実際の撮影は、Vimble Sそのものに内蔵されたジョグダイヤルやボタンを使用します。シャッターを半押ししながらジョグダイヤルを回せばズームし、オートフォーカスでピントが合わない場合はジョグダイヤルを回して手動でフォーカスを変えたりもできるので、スマートフォンをあまり触らなくてもVimble Sだけで撮影できます。
動画撮影でパンさせたりする時はVimble Sのジョイスティックを使ってカメラのアングルを変えます。横向きだけではなく縦向き、斜め向き、どの様な方向でも撮影できるのがVimble Sの優れた特徴でもあります。
タイムプラスやパノラマ撮影などは他のスタビライザーでも、独自の撮影モードを持つものもありますが、自撮り撮影や夜間や室内での低照度の撮影は意外と普段から多いシュチュエーションになると思いますので、そうした撮影に対応しているVimble Sの活躍の場も多いのではないでしょうか。
(KURA BASEの記事本文を許諾を得た上で加筆修正して転載)