チタン、ジルコニア、カーボンファイバーで作られたポケットナイフ「Musvalk」
上下にある画像、何に見えますか?
材料に詳しい方なら表面にカーボンシートの様なものが貼ってあるのかぐらいはわかっても、具体的には何をするものかわからないのではないでしょうか。
実はこれ、「Musvalk」と言う名の刃渡り約2cmのポケットナイフなのです。
Musvalkは形状も独特でユニークなギミックを持っているのですが、それ以上に素材にとてもこだわりを持ったナイフです。
ナイフの柄の部分や刃を覆うカバーの部分はカーボンファイバー、ナイフがカバーから外れない様にロックをかけておくフック部分にはエンジンカバーにも使われるいる剛性の強い樹脂「Zytel」、首に引っ掛けるロープも救命用としても使われる強靭な「パラコード」が使われています。
肝心の刃の部分からもこだわりをヒシヒシと感じます。普通なら鋼を使うところをMusvalkはボディー部分にはチタン合金を使用し、刃先の部分にはロケットのエンジン部分や宇宙船にも使われているダイヤモンドの次に硬いジルコニア(二酸化ジルコニウムセラミック)を使っています。
ジルコニアはダイヤモンドの次に硬い破壊靭性に優れた材料で、ダイヤモンド以下の硬度であれば他のどの様な物質であれ刃が欠けたりする事はありません。
言えば、刃を砥ぐ必要がなくその切れ味は延々と続くのです。しかもセラミックなので錆びません。製品を構成する他の素材もどれも錆びません。
紙の様な素材から、銅線、針金の様なものまで、力負けしなければどの様なものでも切る事ができるのがMusvalkの特性です。
Musvalkを使用する時は引っ張れば簡単に外れる仕様になっています。何の気なしにMusvalkを握っても刃先には絶対に指が触れない構造になっていますので、子供に使わせたりするのにも安全です。
またキャップに押し込むだけで簡単に戻せますし、刃が抜けるのを防止しているZytelは樹脂の中でも熱に強くて硬いのでナイフが簡単に外れる事もありません。
(KURA BASEの記事本文を許諾を得た上で加筆修正して転載)